『日本酒』については日本のお酒ですからわざわざ説明することもないかもしれませんが、
各容器に貼ってある(描かれている)【ラベル】の見かたについてさらっと書いてみます。詳しくお勉強されたい方は
こちらなどをどうぞ(笑)
●日本酒の容器に貼ってあるラベルを見る
いきなりですが、例えば浦霞。
『蔵の華純米吟醸 浦霞』
『しぼりたて浦霞(生酒)』
『純米生酒 浦霞』
『しぼりたて純米生酒 浦霞』
『純米吟醸生酒 浦霞』
『純米生酒 浦霞』
『本醸造生酒 浦霞』
『特別純米酒ひやおろし 浦霞』などなど…
『浦霞』の名がついたものだけでもたくさん種類があります。
しぼりたてやら純米生酒やら本醸造生やら・・・何がなんやら。
名前以外の部分には製法や分類などの情報が含まれています。
例えば『純米生酒 浦霞』であれば、浦霞と言うブランド名の”純米”スタイルで、出荷時の状態が”生酒”で提供されていますということ。
“スタイル”は大きく分けて
醸造アルコール添加系→本醸造・特別本醸造・吟醸・大吟醸
非添加・米オンリー系→純米・特別純米・純米吟醸・純米大吟醸
となります。
またラベルにそういった表記がない場合は『普通酒』としてくくられます。
●醸造アルコール添加系
- ■本醸造酒
- 使用原料が米、米こうじ、水、醸造アルコールで精米歩合が70%以下。お酒としては香味、色沢が良好
- ■特別本醸造酒
- 使用原料が米、米こうじ、水、醸造アルコールで精米歩合が60%以下、又は特別な製造方法の場合(その製造方法はラベルなどに明記されていることが必須)。お酒としては香味、色沢が特に良好
- ■吟醸酒
- 使用原料が米、米こうじ、水、醸造アルコールで精米歩合が60%以下。精米歩合の高さや吟味された酵母を使用して低温で長時間かけて発酵させるといった”吟醸造り”で醸されたお酒。お酒としては固有の香味、色沢が良好
- ■大吟醸酒
- 使用原料が米、米こうじ、水、醸造アルコールで精米歩合が50%以下。吟醸酒よりさらに徹底して低温長期発酵されたもの。お酒としては固有の香味、色沢が特に良好
●非添加・米オンリー系
- ■純米酒
- 使用原料が米、米こうじ、水のみ。お酒としては香味、色沢が良好。純米酒は、一般に吟醸酒(純米のものを含む)や本醸造酒に比べて濃厚な味わいであり、蔵ごとの個性が強いといわれています。
- ■特別純米酒
- 使用原料が米、米こうじ、水で精米歩合が60%以下又は特別な製造方法の場合(その製造方法はラベルなどに明記されていることが必須)。お酒としては香味、色沢が特に良好
- ■純米吟醸酒
- 使用原料が米、米こうじ、水で精米歩合が60%以下。精米歩合の高さや吟味された酵母を使用して低温で長時間かけて発酵させるといった”吟醸造り”で醸されたお酒。お酒としては固有の香味、色沢が良好
- ■純米大吟醸酒
- 使用原料が米、米こうじ、水で精米歩合が50%以下で吟醸造り。吟醸酒よりさらに徹底して低温長期発酵されたもの。お酒としては固有の香味、色沢が特に良好
上記はいずれもこうじ米使用割合が15%以上。
こうして見ると”大吟醸”の冠をつけてある日本酒の手間ヒマかけた製法に値段の高さもうなづけると思います。
ちなみに他に『特撰』『上撰』『佳撰』などと書かれているものもありますが、そういったものは酒造メーカー独自のランク付けとなっており、その分類はメーカーによりさまざまだったりしますのでここでは割愛いたします。
続いて最近よく見る”生酒”や”原酒”、”ひやおろし”などの製法・出荷方法について。
これについてはお酒の醸造工程からの出荷時期によってくくられます。
(醸造の工程を経て)上槽(絞り出し) → 滓下げ1回目(不純物を沈殿させて上澄みを取りだす) → 濾過1回目 → 火入れ1回目 → 貯蔵・熟成 → 滓下げ2回目 → 濾過2回目 → 割水(水を足す) → 火入れ2回目 → 瓶詰め → 出荷
これが醸造を終えてから日本酒として出荷されるまでの基本の工程ですが、冷蔵技術や交通整備による流通手段が発展し、全工程を踏まずに出荷することができるようになりました。
それにより『みずみずしい味わい』や『出来立て』を感じることができる日本酒を手にすることができるわけです。
●主な蔵出し製法
- ■生貯蔵酒
- 火入れ1回目をせずに工程を進めて瓶詰めしたものです。
- ■生詰酒
- 火入れ2回目をせずに工程を進めて瓶詰めしたものです。
- ■生酒(なまざけ)
- 火入れ1回目も2回目もしない、麹菌の活動が残っている状態。
- ■原酒
- 滓下げ1回目を施された上澄み部分の酒のこと。ちなみに、滓下げした状態を生酒(なましゅ)と言います(^_^;)
- ■ひやおろし
- 冬季に醸造したあと春から夏にかけて涼しい酒蔵で貯蔵・熟成させ、気温の下がる秋に瓶詰めして出荷する酒のこと。その際、火入れをしない(冷えたままで卸す)ことから、この名称となっています。
*生酒(なまざけ)と生酒(なましゅ)は別の状態を言います。ややこしや~
原酒では火入れされた日本酒では味わえない、酒の繊細さを味わえる感動があり、呑みきるまで毎日違う顔を見せてくれる反面、劣化も早く保存には注意が必要とされています。
このあたりのお酒は早く呑んだほうがいいってことですね。ただ、それを冷蔵庫などでじっくり寝かせることによって別の顔を見せてくれる、それを楽しみたい!なんて人もいますが(笑)
他にも『山廃仕込み』や『生酛造』、『三段仕込み』など製造法を記入してあるものなどありますがその辺りは・・・気になったら自分でお調べください(笑)
日本酒の味わいは米や産地の水、麹菌によるものも大きいですが製法によっても千差万別。
このあたりを押さえておけば製法による味わいでは自分がどのあたりが好きなのか、わかってくるはず。
日本酒度や甘辛度、甘口、辛口、芳醇、淡麗など味の表現などが記入されているものもありますが、その感覚は自分の舌を基準にすればいいと思います。
本醸造のアル添されたものがスッキリと感じて好きなのか、純米の骨太などっしりしたものがいいのか、大吟醸の淡い味わいが好きなのか、はたまた純米なのにスッキリしたものを探すのか・・・それは個人の自由!
その味わいと造り手の想い、その魅力にどっぷりハマりましょう♪
2012,7月現在